自分に聞いてみる。
「今何したい?」
この問にもう一人の自分はいつも黙ったまんまだ。
小さい頃、兄や姉と年が離れているせいか、兄弟というよりは母親にどこか連れて行ってもらうことが多かった。映画館や遊園地に連れて行ってもらった後、いつもこう聞かれていた。「何食べたい?何か食べたいものある?」僕はこう聞かれるといつも困ったように「わかんない。」と答えていた。 僕から案が出ないことを悟った母親は僕を連れて歩き出し、そして僕は通りがかりのたまたまそばにあった店を見て「これ食べたい!」と、さもこれが食べたかったんだと言わんばかりの様子で母親に伝えるのだ。
何か食べたいものがなかったわけじゃない。 お寿司だって食べたかっただろうし、でっかいアイスの乗ったフロートだって飲みたかったはずだし、どっかの百貨店のきれいなお子様ランチだって食べたかったはずだ。 けど、自分の中の自分に聞いてみても答えが返ってこないのだ。
頭のなかで考えるときはよく自分自身と会話しているように思う。 多分自分が理性で、相手が本心とか感情なんだと思う。
その本心とか感情みたいなのがぎゃーぎゃー騒ぐときもある。そういったものを自分が抑えて外にでないようにしているようにも思う。 でも押さえつけすぎるのもよくないのかなとも思う。 主張する子供がいくら主張しても親が聞く耳をもたないで、次第に子供も何も発しなくなるかのように。
先輩に飲みに連れて行ってもらった。 話の中で先輩が今までされてきたことも聞いたけど、本人がしたいと思ったことをしていくし、したくないことは全力で手を抜くとおっしゃっていた。 そして最後に、人生短いんだからやりたいことをやらないとだめだよ、と言って頂いた。
改めて自分に聞いてみる。今何したい? やっぱりすぐには返事が返ってこない。 やりたいことを見つけてやりたいことに進んでいく人はやっぱりパワフルだ。
もう少しもう一人の自分に聞くようにして、もっと自由にしていいと教えてあげなくちゃいけない。
そして、これがやりたい!って答えが返ってきたら、人生はもっとシンプルになるんじゃないかなと思った。まる